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森のサーカス小屋

児童文学作家 戸森しるこのブログです。

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「十一月のマーブル」製作秘話 最終回 あとがきのかわりに

「十一月のマーブル」製作秘話も今回が最終回となります。
お付き合い頂きましてありがとうございました。

「十一月のマーブル」というタイトルは、マーブリングアートのマーブルであり、また、登場人物たちの複雑な心の模様を表しています。私がこの物語の中で一番表現したかったのは、波楽、レン、凪、航太郎、この4人の心の動きなのかなと思います。

ある時、赤羽のエクセルシオールカフェ(今はもうない)で、物語の終盤、波楽が母親に国際電話で自分の気持ちを伝えるシーンを書いていました。実はその瞬間まで、波楽が育ての母親に対してああいう気持ち(願望)を抱いていることを、私は知りませんでした。プロットにはそういうことは書いていなかったので、私もびっくりして、「ああ、そうだったの」と、その場でしくしく泣きながら文字を打っていってのです。閉店間際で私しか客がいなかったのですが、店員さんはさぞ不気味に思われていたと思います。
そういうふうに、突然予定とは違うことが起こって、それが物語に力を与えることがあります。あの場面はまさにそうだったなと。

実を言うと、いろいろな意味で、書くのがなかなかにしんどい作品でした。
書いている時はそう思っていなかったのですが、あとから考えると、ちょっと大変だったのかもしれないと思います。

まず、「ぼくたちのリアル」で新人賞を頂いたその瞬間から、「大事なのはデビュー作よりも二作目だから」という、多方面からのプレッシャーが…(笑)
それと、内容面でも、これは私の場合はいつものことですが、こういうストーリーなので、決してウキウキ気分で書けるものではありませんでした。

でも、たとえば。

当初は超サブキャラだった家政婦のスミさんが、意外といい味を出してくれて私を楽しませてくれたり。

マーブルチョコレートというポップなキーアイテムや、

キャラクターたちの会話のおもしろさ(波楽がメガネをかけるかどうかで食卓でもめるシーンが気に入ってます)。

あとは、レンと波楽の心の距離感に私自身がドキドキしたりと、楽しい気持ちで書けた場面もたくさんありました。


ということで、結局のところは「書いていて楽しかったなぁ」という印象でございます。

「十一月のマーブル」。

「こういう本を書きたかった」が、形になりました。
執筆にあたりお力を貸してくださった皆様に、感謝を申し上げます。ありがとうございました。

「十一月になったら読みたい本」として、これから先もどうか多くの方々に手に取って頂けますように…。



                   2017年2月2日  戸森しるこ


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